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リグロスは、歯周ポケットの深さが4mm以上、骨欠損の深さが3mm以上の垂直性骨欠損がある場合に保険で使えます(PMDA 添付文書、2026年8月時点)。4mm以上のポケットがある人は15歳以上の47.8%にのぼりますが(厚生労働省 令和6年歯科疾患実態調査)、その全員が対象になるわけではありません。土岐市のリーフ総合歯科が、対象になる歯と費用の目安まで整理します。

ポケットの深さ・骨欠損の形・術式の3条件がそろって初めて保険適用になります(出典: 厚生労働省 令和6年歯科疾患実態調査、PMDA 添付文書を基に当院作成)
リグロスの保険適用には、歯の状態に関する2つの数値条件と、術式に関する1つの条件がそろう必要があります。歯周ポケットの深さ4mm以上、骨欠損の深さ3mm以上の垂直性骨欠損、そして歯肉剥離掻爬手術と同時に塗布すること。この3点が添付文書と診療報酬の両方から導かれる要件です(PMDA 添付文書、2026年8月時点)。
| 判定項目 | 保険適用の目安 | 当院での確認方法 |
|---|---|---|
| 歯周ポケットの深さ | 4mm以上 | 歯周精密検査(1歯につき4点以上を測定) |
| 骨欠損の形 | くさび状の垂直性骨欠損 | デジタルレントゲン・CT |
| 骨欠損の深さ | 3mm以上 | デジタルレントゲン・CT |
| 歯周基本治療 | 終了して再評価済み | スケーリング・ルートプレーニング後の再検査 |
| 術式 | 歯肉剥離掻爬手術と同時 | 歯周外科を担当する歯科医師が実施 |
| 全身の状態 | 口腔内の悪性腫瘍とその既往がない | 問診と、必要に応じた医科への照会 |
保険適用の可否は6項目の組み合わせで決まります(当院の判定運用に基づく。条件の根拠はPMDA 添付文書および厚生労働省 歯科点数表、2026年8月時点)
4mm以上のポケットは珍しいものではなく、15歳以上の47.8%が該当します。一方で6mm以上に達している人は12.3%にとどまります(厚生労働省 令和6年歯科疾患実態調査、2026年8月時点)。この開きは、ポケットが深いこと自体は入口にすぎないことを表しています。対象かどうかは、次に見る骨の形で分かれます。まずは歯周精密検査で1歯につき4点以上の深さを測り、記録を残すところから始めてください。
垂直性骨欠損とは、歯を支える骨が歯の根に沿ってくさび状に深く溶けた状態です。日本歯周病学会も、再生治療の対象になるのは主に「歯槽骨がくさび状に溶けてしまった状態」だと説明しています(日本歯周病学会 歯周病Q&A)。当院は、この形の判定にレントゲン1枚では足りない場面が多いと考え、デジタルレントゲンに加えてCTで骨の壁がどれだけ残っているかを立体的に確認しています。骨の壁が多く残っているほど、再生の足場を確保しやすくなります。深さが3mmに届かない場合や、骨が横方向に平らに減っている場合はリグロスの対象外です。撮影した画像を見せてもらいながら、欠損の形と深さの説明を受けておくと判断しやすくなります。
リグロスの用法は「歯肉剥離掻爬手術時に歯槽骨欠損部を満たす量を塗布する」と定められています(PMDA 添付文書)。歯肉剥離掻爬手術は、歯ぐきを開いて悪い組織を取り除き、歯根の表面を清掃してから縫い戻す手術です。保険上の算定もこの手術(1歯につき630点)で行い、そこに薬剤料が加わります(厚生労働省 歯科点数表、2026年8月時点)。同じ保険の再生療法でも、膜を使う歯周組織再生誘導手術(840点)は地方厚生局への施設基準の届出が必要で、歯肉剥離掻爬手術とは併せて算定できません(厚生労働省 留意事項通知、2026年8月時点)。この区分の違いは、医院を選ぶ段階では見えにくい部分です。リグロスは届出がなくても扱えるぶん受けられる医院が多く、そのぶん術者が歯周外科手術に慣れているかを確かめる意味が大きくなります。添付文書も、歯周外科手術の経験のある歯科医師または医師が使用することと明記しています。
要点: 4mm以上のポケットと3mm以上の垂直性骨欠損がそろい、歯肉剥離掻爬手術と同時に塗布する場合に限って、リグロスは保険で使えます。

分かれ目は骨欠損の深さ3mmと骨の溶け方で、禁忌は口腔内の悪性腫瘍に限定されています(出典: PMDA 添付文書を基に当院作成)
骨が横方向に平らに減る水平性骨吸収の歯と、口腔内に悪性腫瘍がある方・その既往がある方は、リグロスの対象になりません。垂直性骨欠損は骨に壁が残るため再生の足場を作れますが、水平に減った骨には足場が残らないためです。禁忌は添付文書で「口腔内に」悪性腫瘍がある場合と限定されています(PMDA 添付文書、2026年8月時点)。
| 骨の溶け方 | 特徴 | リグロスの対象 |
|---|---|---|
| 垂直性骨欠損(深さ3mm以上) | 歯の根に沿ってくさび状に深く溶ける | 対象になる |
| 垂直性骨欠損(深さ3mm未満) | くさび状だが浅い | 対象外 |
| 水平性骨吸収 | 骨全体が横方向に平らに減る | 対象外 |
| 歯肉弁が大きく落ち込むと予想される欠損 | 縫合後に歯ぐきが陥凹すると見込まれる | 他の治療法を検討 |
骨の溶け方と保険適用の対応(PMDA 添付文書の記載を基に当院作成、2026年8月時点)
添付文書が定める禁忌は2つです。ひとつは成分に対する過敏症の既往、もうひとつが口腔内に悪性腫瘍のある患者、またはその既往歴のある患者で、これはリグロスが細胞の増殖を促す働きを持つためです(PMDA 添付文書)。添付文書が限定しているのは口腔内の悪性腫瘍であり、がんの既往が一律に対象外になるわけではありません。当院は、禁忌の範囲を広く受け取ったまま相談前に諦めてしまう方を減らしたいと考えています。既往歴は自己判断で線を引かず、問診の際にそのまま伝えてください。このほか、インプラント治療に関する有効性と安全性は確立しておらず、術後に歯肉弁の著しい陥凹が予想される部位では他の治療法を検討することとされています。妊娠中の方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。

検査で適応を判定してから手術し、その後の再評価とメインテナンスが2年以上続きます(出典: 厚生労働省 留意事項通知、日本歯周病学会 歯周病Q&Aを基に当院作成)
保険でのリグロス使用は、歯周基本治療のあとに行う歯周精密検査の結果に基づいて判断されます。歯周外科手術は「歯周精密検査の結果に基づき行われる」ものと定められており、検査を経ずに手術を算定することはできません(厚生労働省 留意事項通知、2026年8月時点)。希望を伝えればその日のうちに受けられる治療ではありません。
最初に行うのは歯周病検査と歯みがきの練習、次にスケーリング・ルートプレーニングによる歯石と汚染された歯根面の除去です。ここまでが歯周基本治療にあたります。そのうえで歯周精密検査を行い、1歯につき4点以上のポケットの深さ、プロービング時の出血の有無、歯の動揺度、プラークの付着状況を測定します(厚生労働省 留意事項通知)。この結果とレントゲン・CTの画像を照らし合わせ、適応があると判断できた歯に歯肉剥離掻爬手術を行います。リーフ総合歯科は、この検査工程を手術前の形式的な段取りではなく適応判定そのものだと考え、CTを含む精密診断を同じ時期にそろえる運用にしています。検査を省いてすぐ手術を提案された場合は、判定の根拠を確認してください。
手術で骨がすぐ戻るわけではありません。日本歯周病学会は、適応となるケースでは失った歯槽骨が9割から半分程度回復することが期待でき、骨が完全に成熟するには2年以上かかると説明しています(日本歯周病学会 歯周病Q&A)。再生量は年齢や体力、本人の歯みがきの状態にも大きく左右されます。保険にも術後の評価が組み込まれており、手術部位には歯周病部分的再評価検査を手術後1回算定できます(厚生労働省 歯科点数表)。当院は、手術を単発で終わらせず、術後の再評価とメインテナンスまでを最初の治療計画に含めて説明しています。結果を左右するのは手術当日より、その後2年の通院です。

1歯あたりの負担は大半が薬剤料で、検査料や撮影料は別にかかります(出典: 厚生労働省 歯科点数表、厚生労働省 薬価基準収載品目リストを基に当院作成)
1歯にリグロス600μgを1キット使う場合、手術と薬剤で3割負担なら約8,200円が目安になります。内訳は歯肉剥離掻爬手術630点(厚生労働省 歯科点数表)と、薬価21,053.7円のリグロス歯科用液キット600μgの薬剤料です(厚生労働省 薬価基準収載品目リストの歯科用薬剤ファイル、2026年8月時点)。
| 項目 | 保険点数 | 医療費(10割) | 3割負担 |
|---|---|---|---|
| 歯肉剥離掻爬手術(1歯につき) | 630点 | 6,300円 | 1,890円 |
| リグロス歯科用液キット600μg 薬剤料 | 約2,105点 | 約21,050円 | 約6,315円 |
| 合計 | 約2,735点 | 約27,350円 | 約8,200円 |
【試算の方法】対象: 1歯に歯肉剥離掻爬手術を行い、リグロス600μgを1キット使用した場合/算定内訳: 歯肉剥離掻爬手術630点+薬剤料(薬価を点数に換算)/負担割合: 3割(自己負担割合は年齢と所得で異なります)/データ出典: 厚生労働省 歯科点数表・厚生労働省 薬価基準収載品目リスト(2026年8月時点)
この金額のほかに、初診料・再診料、歯周精密検査(100〜400点)、エックス線やCTの撮影料、投薬、術後の再評価検査などが別にかかります。治療は手術当日だけで完結しないため、歯数と検査を含めた総額で見積もりを確認してください。当院は、保険だから安いと丸めずに1歯あたりの実額を先にお伝えするほうが、治療の範囲を決めやすくなると考えています。なお1キットは1歯専用ではありません。国内の臨床試験では、0.2mL以下の塗布量で2歯や3歯に使われた例も報告されています(PMDA 添付文書)。隣り合う複数の歯を同じ手術でまとめて処置できる場合、1歯あたりで見た薬剤の負担は下がります。どの範囲を一度に手術するかは、担当医と相談して決めてください。
要点: リグロスの薬剤料は1キット約21,050円、手術と合わせた3割負担は1歯あたり約8,200円です。検査料や撮影料は別途かかります。
リグロス歯科用液キットは2016年9月28日に「歯周炎による歯槽骨の欠損」を効能・効果として承認され、同年12月に販売が始まりました(PMDA 添付文書)。それ以前から保険で受けられたのは、2008年に一部が適用となった歯周組織再生誘導手術です(日本歯周病学会 歯周病Q&A)。
リグロス自体に手術としての点数はありません。歯肉剥離掻爬手術630点(1歯につき)を算定し、そこに使用したリグロスの薬剤料を薬価から換算して加えます(厚生労働省 歯科点数表、2026年8月時点)。歯周外科手術と同時に行った歯周基本治療は手術の点数に含まれるため、別に算定することはできません。
国内の第Ⅲ相試験では、投与36週後の新生歯槽骨の増加量がリグロス群1.93mm、エナメルマトリックスデリバティブ群1.36mmで、エナメルマトリックスデリバティブに対するリグロスの非劣性が認められました。同じ試験で、手術だけを行った参照群の増加量は0.68mmでした(PMDA 添付文書)。当院はこの数字を、どちらの薬を選ぶかより手術の質と術後の管理が土台になることを示す結果だと考えています。
リグロスの保険適用は、歯周ポケット4mm以上と深さ3mm以上の垂直性骨欠損、そして歯肉剥離掻爬手術との同時使用という3つの条件で決まります。当てはまるかどうかは、歯周精密検査とレントゲン・CTの画像を突き合わせて初めてわかります。対象になる歯は口の中の状態で変わるため、個別の事情は歯科医師にご相談ください。判定を受けて手術と2年の通院を続けられれば、抜歯を前提にしていた歯で再び噛み、家族と同じ食卓を囲む生活を保てる可能性があります。まずは今の歯周ポケットと骨の状態を数値で確かめるところから始めてください。