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骨粗しょう症で歯が抜ける?歯科治療の注意点と50代から始める「骨活」のすすめ

予防・メンテナンス
骨粗しょう症で腰を痛めている中年女性のイメージ写真。骨の健康と歯の関係を表現。

「最近、歯がぐらぐらする気がする…これって年齢のせい?」

そう思うことはありませんか?

実は、その原因が“骨粗しょう症”に関係していることがあります。

骨粗しょう症は全身の骨だけでなく、歯を支えるあごの骨にも影響し、放置すると、歯を失うおそれが高まります。

そこで今回は、骨粗しょう症と歯の関係や、今からできる予防ケアについてご紹介します。

ご自身の歯や骨を長く健康に保ちたい方は、ぜひご覧ください。

目次

骨粗しょう症と歯の関係について

骨粗しょう症は「骨がもろくなる病気」で、現在超高齢社会の日本では1,300万人超の方がかかっていると言われています。

ここでは、骨粗しょう症がどのようにして歯やお口の健康に関係しているのかを、わかりやすく解説していきます。

骨粗しょう症とは?

骨密度が低下した骨の断面図(健康な骨との比較)

骨粗しょう症は、骨の中のカルシウムやたんぱく質が減って骨密度が下がる病気です。

この「骨のもろさ」は全身に共通し、歯を支えるあごの骨(歯槽骨)にも影響します。

あごの骨がやせると、歯をしっかり支えられなくなり、歯がぐらついたり抜けやすくなったりします。

閉経後の女性に多い理由(エストロゲン減少など)

閉経後の女性でエストロゲンが減少し骨が弱くなる仕組みの図

エストロゲンは骨の代謝を整えるホルモンで、閉経後に減少します。

その結果、骨の再生が追いつかず、骨密度が下がりやすくなります。

歯を支える骨も同じ仕組みで弱くなるため、50代以降の女性では「歯が浮く」「かみにくい」「歯ぐきが下がる」などの変化を感じやすくなるのです。

骨粗しょう症が口の中に与える具体的な影響

骨がもろくなると、歯を支える力が弱まり、口の中にも影響が出てきます。

ここでは、ぐらつきやかみにくさ以外で見られる変化や症状についてご説明します。

歯周病の悪化と骨粗しょう症の深い関係

骨粗しょう症で骨の再生力が落ちると、歯周病が進行しやすく、治りにくくなります。

これは、炎症により歯槽骨がさらに溶けるためです。

特に、閉経後の女性では、エストロゲン減少で歯ぐきの抵抗力も弱まり、「骨粗しょう症と歯周病の悪循環」が起こりやすくなります。

抜歯・インプラント・入れ歯への影響

骨粗しょう症の方は、抜歯やインプラントの治りがゆるやかになる傾向があります。

また、歯を失った部分の骨がやせて入れ歯が合わなくなることもあります。

違和感を感じたら、早めに歯科で確認を受けましょう。

骨粗しょう症治療薬と歯科治療の関係

骨粗しょう症の治療に使われる薬のイメージ写真(錠剤)

骨粗しょう症の治療薬は、骨の強度を保つうえで大切です。

一方で、歯科治療とも関わりが深く、正しい知識と情報共有が必要になります。

ビスフォスフォネート製剤(BP剤)やデノスマブの服用に注意

骨粗しょう症の治療でよく使われる薬にはビスフォスフォネート製剤(BP剤)やデノスマブ(注射薬)があります。

これらの薬は、骨を壊す細胞の働きを抑えることで骨密度を維持します。

ただし、ごくまれに副作用として顎骨壊死(がっこつえし)が起こることがあります。

顎骨壊死(MRONJ)とは何か?

顎骨壊死(MRONJ)は、あごの骨の一部が血流不全などで壊れる病気です。

名前から怖い印象を受けますが、口の中を清潔に保ち注意して治療を進めれば、リスクを抑えられます。

国内の調査でも、骨粗しょう症治療薬を服用している方のうち、発症する人はごくわずかです。

歯科治療を受ける前に知っておきたい注意点

骨粗しょう症の薬を服用している方の多くが、「歯医者に行っても大丈夫?」「抜歯しても平気?」と不安を感じています。

しかし、正しく情報を伝えれば、ほとんどの歯科治療は安全に受けられます。

ここでは、受診前に知っておきたいポイントをまとめます。

歯医者に行く前に伝えること

治療を安全に進めるために、次の3点を必ず伝えましょう。

お薬手帳を提示すれば、歯科医師が安全な治療計画を立てやすくなります。

歯科治療で注意すべき処置

抜歯やインプラントなどの外科処置は、慎重に行う必要があります。

一方で、虫歯治療や歯石取り、クリーニングなどは通常どおり受けられます。

むしろ、定期的なクリーニングは顎骨壊死の予防にも効果的です。

薬の休薬は必要?

自己判断で休薬・中止をすることはおすすめできません。

近年のガイドラインでは、短期の休薬でリスクを下げる効果は乏しいとされています。

薬の成分は骨に長く残るため、休薬よりも医科と歯科の連携が重要です。

こんな症状が出たら早めに相談を

骨粗しょう症になると、骨の代謝がゆるやかになるため、小さな炎症でも治りにくいことがあります。

次のような症状があれば、自己判断せずに歯科へ相談しましょう。

骨粗しょう症の方が歯を守るための予防ケア

歯ブラシやフロスを使った毎日の口腔ケアの様子

骨粗しょう症は「骨の病気」ですが、お口のケアが骨の健康維持にも直結しています。

毎日の歯みがきや定期検診を丁寧に行うことで、歯を支える骨(歯槽骨)の減少を防ぐことができます。

毎日のセルフケアを徹底する

自宅でできる基本的なケアは、プラーク(歯の汚れ)をためないことです。

歯ぐきの炎症を放置すると、骨にまで影響して歯がぐらつく原因になります。

歯ぐきの色や腫れを鏡でチェックする習慣をつけると、早期発見にもつながります。

定期的な歯科検診・クリーニングが重要

3〜6ヶ月に1回の検診で、歯周病や骨の吸収を早期に発見できます。

また、パノラマレントゲン(顔全体を1枚のX線画像で撮影する検査)によって、あごの骨の状態を確認できることもあります。

「痛くなったら行く」ではなく、「何もなくても行く」ことが、歯と骨を長く健康に保つための基本です。

食事と生活習慣から骨と歯を一緒に守る

カルシウム(小魚・乳製品)とビタミンD(きのこ・鮭・日光浴)を意識し、ウォーキングなど軽い運動を続けましょう。

禁煙・節酒も骨と歯の健康維持に有効です。

よくある質問

Q1.骨粗しょう症の薬を飲んでいても歯医者に行けますか?

はい、受診できます。

外科処置が必要な場合は、薬の種類や服用期間を歯科医師に伝えましょう。

自己判断で薬を止めず、医科と連携して進めると安全性が高まります。

Q2.骨粗しょう症の薬を飲んでいると、歯を抜けないって本当ですか?

状態を確認すれば抜歯も可能です。

顎骨壊死の発生率は、経口のビスフォスフォネート製剤であれば10万人年あたり1件程度といわれています。(引用:顎骨壊死|日本リウマチ財団

口を清潔に保つことで、多くの場合にトラブルを防ぎやすくなりますので、放置せず早めに治療を受けるようにしましょう

まとめ:骨粗しょう症でもケア次第で歯を守ることができます

内科と連携しながら治療を行う歯科医院のイメージ(医師が相談している様子)

骨粗しょう症というと「背中が曲がる」「骨折しやすい」といった全身の問題を思い浮かべやすいものです。

しかし、口の中の骨も同じように影響を受けます。

きちんとケアを続け、定期的に歯科でチェックを受けることで、歯や骨の健康維持が期待できます。

歯周病予防や口の清掃を習慣にし、骨粗しょう症の進行を抑えることに繋げていくことがおすすめです。

不安に思ったらまずはご相談ください

骨粗しょう症やその治療薬による影響は、早めに見つけて適切に対応することで、重い症状に進むリスクを抑えられるとされています。

※参考:
骨粗鬆症(ビスフォスフォネート系製剤、抗RANKL抗体など)|テーマパーク8020
重篤副作用疾患別対応マニュアル -骨吸収抑制薬に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎-|厚生労働省

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