静脈内鎮静法とは
薬剤を用いて歯科治療中における精神的緊張を和らげ、快適で安全な治療を行うための方法です。静脈内鎮静法を行うと、うっすらと意識はありますが、気分が楽になりほとんど眠っているような状態になります。
※静脈内鎮静法は全身麻酔と異なり、意識が完全になくなるはありません。また鎮静法自体に痛みをとる作用はありませんので、通常の歯科の麻酔(注射による局所麻酔)を併用して行います。実際には、まず点滴をさせていただき、そこから薬剤を投与します。使用薬剤は、ミダゾラムおよびプロポフォールです。これらの薬剤は安全性の高いものですが、患者様によってはこれらの薬剤により軽度の呼吸抑制が起こることもあります。
全身麻酔は完全に意識がなくなりますが、静脈内鎮静法は問い掛けにはある程度反応でき、体の防御反射も保たれているので、安全性は比較的高いという特徴があります。静脈内鎮静法は歯科治療を快適に受けていただくための方法であり、歯科治療自体の成否・予後には全く関係しません。
治療前の注意事項
鎮静薬を使用して歯科治療を行うには、患者様に次のような協力をしていただく必要があります。
特に太字部分はよく読んで必ず守るようにしてください。
なお、お願いしました事項が守られていない際には、薬剤の投与を見合わせますので、ご了承ください。
⚫︎静脈内鎮静法を行うにあたり、絶飲絶食が必要になります。詳しくは静脈内鎮静法のご予約をおとりする際にお伝えします。
⚫︎術後、めまい、ふらつき、気分不快などが生じる事があります。
治療後は車や自転車の運転はできません。付き添いの方とご一緒にお越しください。
⚫︎まれにアレルギー症状の出る場合があります。
なお、卵や大豆にアレルギーのある方はプロポフォールを使用できませんので申告願います。
⚫︎薬に含まれている成分にアレルギーがある方には使用できない可能性があります。お薬にアレルギーのある方は申告願います。
⚫︎呼吸抑制や血圧低下などが生じることがあります。気道確保や薬剤の減量などで適切に対処します。
⚫︎処置時間や使用薬剤により、帰宅時間が遅れる可能性があります。
⚫︎術後はお薬の効果が残ることがありますので、大切な仕事や細かい作業を要する仕事は控えてください。
⚫︎体調不良時、食事をしているとき、付き添いのいないとき、常用薬を服用していないとき等は、歯科麻酔科医の判断で、治療を中止する場合がございます。
⚫︎重篤な基礎疾患をお持ちの方には使用できない可能性があります。
⚫︎妊娠時、小児には使用することができません。
⚫︎麻酔終了後の痛みは、飲み薬にて対処いたします。
このような患者さまに
おすすめです!
短期間で早く治療を終わらせたい方
嘔吐反射の強い方
とにかくあらゆる治療を快適に受けられたい方
歯科治療が本当に嫌いな方や、歯科治療中に具合の悪くなる方(歯科恐怖症)
外科手術(インプラント手術・ 親知らずの抜歯・歯周病の歯肉剥離術 etc.)を受ける方
治療の流れ
- モニター(血圧計、心電計、パルスオキシメーター)を装着します。
- 点滴をして、麻酔薬(ミダゾラム、プロポフォール)を投与します。
- 患者様が眠くなられた時点から治療を開始し、歯科麻酔医が状態を常に監視します。
- 治療終了後、ふらつきや眠気がなくなるまで休んでいただきます。
インプラント治療が不安な方へ
静脈内鎮静法は極めて専門性の高い方法です。
当院の「静脈内鎮静法」は歯科麻酔専門医である愛知学院大学准教授が行います。
佐藤 歯科医師:プロフィール
愛知学院大学附属病院